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知っておきたいオーガニックコットン製品の認証・認定~GOTS、OCS、NOC~

知って納得!それぞれの良さを上手に取り入れよう

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 最近よく見かけるオーガニックコットン製品、じつはさまざまな品質基準があるのをご存じですか?
 製品の認証や認定を受けているものは厳しい要件をクリアしていますが、そうでないものも存在します。予備知識なしに選ぶのは簡単ではありません。
 そこで今回は、日本で手に入るオーガニックコットン製品の認証等を3つご紹介します。賢く選んで、上手に取り入れたいですね。

■認証・認定のいろいろ

 ここではネット通販や実店舗で手に入るものとして、NOC認定・GOTS認証・OCS認証をご紹介します。
 それぞれ基準は異なりますが、外部認証されたオーガニックコットンを使っている点や強制労働への反対など、「エシカル」な商品づくりを目指す点は同じです。
 以下、それぞれの特徴を挙げさせてもらいます。

▶GOTS

GOTS Organic

GOTS "Organic"認証ロゴ

✎ポイント:
・国際認証
・メーカーには年1回の監査あり
・厳格な化学物質基準も

・国際認証の信頼性 

 GOTSゴッツの特徴は国際認証という信頼感、そして化学物質基準の厳しさです。
 製造から流通の各プロセスで審査があり、年に一度「認証機関*1」による監査を受けねばなりません*2。当然、徹底した記録管理が求められます。
 コットン生産者の労働条件や、環境配慮なども評価されるため、GOTSを推進するJOCA 日本オーガニックコットン協会の森さん曰く「繊維製品の包括的なサステイナブルの基準」となるほど影響力を持った認証です。

 

・いまや世界標準に

 そして、今や一般のものづくりにもGOTSの考え方が広まりつつあります。
 たとえばGOTSは使用する化学物質を厳しく制限し、毒性や生分解性といった査定をクリアしなければなりません*3。森さんに伺ったところ、こうした厳しさが世界的にも評価され、なんと一般工場の中でもこの基準を使うところが出てきたそうです。
 厳しい認証だけにお値段もなかなかですが、それだけの値打ちは確かにあります。
 なお、GOTSのオーガニック製品認証には「Organic」と「Made with Organic」の2種類があり、それぞれ認証済みオーガニック繊維の使用率が95%・70%以上という違いがあります*4

 

▶OCS

OCS Organic

OCS "Blended"認証ロゴ

✎ポイント:
・豊かなデザイン性
・オーガニック初心者に最適
・SDGsへの取組みも実施

・デザイン性にこだわる人に

 OCSのメリットは「オーガニックとおしゃれの両立」ができるという点です。これは加工に使う物質を制限しないためであり*5、ファッション性がほしい方には取り入れやすいでしょう。
 もちろん原料は認証済みオーガニックコットンで、トレーサビリティの確保や児童労働への問題意識*6もGOTS・NOCと同じです。また、GOTSと同じく年1回の監査が課せられます。

 

・SDGsへの取組みも

 さらに、OCSを主催するTextile ExchangeはSDGsへの取組みも行っています。
 たとえばリサイクル原料についての認証や、動物福祉(アニマルウェルフェア)に基づいたダウンやウール、モヘアの認証もあり*7、ファッションから世界を変えていこうという意気込みを感じます。
 なお、OCSにはオーガニック原料を95%以上使った「OCS100」と、5%以上95%未満の「OCS blended」の2種類があります*8

 

▶NOC

NOC オーガニックコットン

"NOCコットン"認定ロゴ

✎ポイント
・化学処理を認めず
 綿本来の良さを徹底追求
・独自の基金で生産者支援も

・化学処理も混紡もしない

 NOCの素晴らしい点は、化学処理を認めないという徹底した安全意識です。「綿本来の性能以上を求めた化学薬剤による機能増強加工はしない。*9」という基準を満たさないとNOCコットンには認定されません。
 また普通綿を混ぜることもできないため、コットン部分は100%「認証済みオーガニックコットン」です。
 こうしたことから化学物質過敏症専門の病院での採用実績もあるそうです*10

 

・本来の良さを生かす工夫

 また、この厳格さは手触りの良さにも関係しています。
 NOC 日本オーガニックコットン流通機構の宮嵜みやざきさんによれば、化学処理のしすぎはコットンの良さを奪う原因となります。だからこそ、化学処理を避けることで本来の柔らかさを実現されようとしているのです。
 なお、認定にはここでご紹介した「NOCコットン」のほか、NOCコットンと同じ理念を持ちつつ化学繊維の混用を30%まで認めた「NOCグリーン」や、これらを海外で縫製・包装した「NOCブルー」もあります。
 さらにNOCラベル1枚につき2円の支援金が含まれており、買った人が生産者支援できる仕組みにもなっています*11

 

■認証に関する問い合わせ先

 それぞれの認証等について、問い合わせ先をご紹介します。
 質問などは快く受けて下さいますので、分からないことはぜひ質問しましょう。

 

■まとめ

▶自分にあった商品えらびを

 今回はオーガニックコットン製品の認証等を3つご紹介しました。
 基準はそれぞれ違っても、オーガニックコットンの普及によって作り手も買い手も幸せな世界を作りたいという熱意は同じです。
 また、化学処理を認める認証であっても、必ずしも一般綿と同じ処理がされているとは限りません(参照「ひとくちメモ②:化学処理の有無について」)。メーカーの考え方や商品によっても違います。そのため、基準だけを見て判断するより、むしろ自分の目的に合ったものを取り入れるのがオススメです。

 

▶規制がないという現状

 ただし、注意してください。いま市場には由来の不明なオーガニックコットン製品もたくさん存在します。認証ロゴがなく、単に「オーガニックコットン使用」と書かれた場合などです。
 これらの全てが「まがいもの」とは限りませんが、原料や混用率などがはっきり分からないのは事実です。
 こうした商品が規制されない背景には表示を取り締まる法律がないという現状があり(2020年9月現在*12)、買う側が知識を持つことが何より大切になってきます。
 メーカーに製品認証の有無を確認するなど、積極的な商品選びも必要です。お金の使い道はよくよく考えて、かしこい消費者でありたいですね。

(文・写真・イラスト 鈴木かや)

 

※詳しいお話を聞かせて下さいましたJOCA 日本オーガニックコットン協会の森さん、M.S.I.の稲垣さん、NOC 日本オーガニックコットン流通機構の宮嵜みやざきさんに改めてお礼を申し上げます(以上、掲載順)。ありがとうございました。

*1:認証基準への適合性をチェックする第三者機関のこと。

*2:JOCA「GOTS Version 5.0( 和訳付)」4.1.(http://joca.gr.jp/wp/wp-content/uploads/2015/09/GOTS_Standard_5.0-EnglishJapaneseAlphabetical.pdf)2020年9月1日閲覧。以下同。

*3:同上 2.3.

*4:同上 2.2.

*5:Textile Exchange, OCS3.0およびCCS。(https://textileexchange.org/standards/organic-content-standard/

*6:Textile Exchange, Organic Cotton Market Report 2020, p.6。 (https://store.textileexchange.org/product-category/plant-based-natural-fibers/cotton-plant-based-natural-fibers/

*7:Textile Exchange, Textile Exchange Standards (https://textileexchange.org/standards/

*8:Textile Exchange, OCS 3.0 User Manual, B1.4.(https://textileexchange.org/wp-content/uploads/2020/07/OCS-201-V3.1-OCS-User-Manual.pdf)

*9:NOC「NOCコットン規準」(https://noc-cotton.org/certification-standard

*10:わたしと起業.com「オーガニックコットン起業の魅力」>「第2回 NOCの活動内容と実績」(http://www.watashi-kigyou.com/taidan/miyazaki/story02.php

*11:NOC「NOC貧困救済基金」(https://noc-cotton.org/about-aid

*12:中小機構によるガイドライン案(中小企業基盤整備機構(平成22年)「平成 21 年度情報業務における「オーガニック・コットン表示ガイドライン策定に係る調査」 」(http://joca.gr.jp/wp/wp-content/uploads/2018/11/OC_display_guidline53102-2.pdf)は存在しますが、経産省に確認したところ、実効性のある公的ガイドラインは未整備にとどまっています。